こちら孤島のまどよりお便りします

円野まどの恥の多い日々の記録

「どうしてポイ捨てしたらだめなの?」に答えられない話

〒みなさま

 私は最近ブログを書いているうちに、書きたいことがわかってきて、もしかしたら全部のアクセスが間違って押しちゃった方かもしれないけれど、こうして書けていることにとても感謝しています。

もともとこのブログは一つ一つがボトルレターみたいなもので、どなたかのところにふっとたどり着いて、少しでも笑っていただけたらうれしいなって思っています。

今日は私の親戚で、弟のような存在のでんきゅうの話をしたいと思います。

 

「どうしてポイ捨てしたらだめなの?」に答えられない話

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*登場人物

でんきゅう 親戚で、共通の趣味(ゲーム)があるので実の弟のように仲良し

私     筆者円野まど。引きこもりの甘ったれ。 

 *上京する前のでんきゅう

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でんきゅうは進学で東京に来まして、もともとは九州に住んでました。

ちょっと遠めの親戚ですが、親戚のあつまりで会うことがあり、連絡をとりあうようになりました。

彼が上京してくるまでは主にネットでみんな一緒にゲームをしたり大学とはどんなところかとか、進路トークをしていました。この「大学とはどんなところか」という話をしていたところがポイントです。私はけっこうお姉さんぶって色々訳知り顔で話していました。(先輩風を吹かしてみたかった)もちろん恋愛の相談とかにものりましたよ(得意げ)

あの頃はなんかこう、年下のひとと接すると大人になった気がしてめっちゃクールに名言(ネットで検索)を話したりしていましたね。本当恥ずかしくて入るための穴を常備しておきたい気持ちです・・・。

二人ともPCに向かっていることが多かったので、連絡をとることがあればSkypeとかで話していました。通話はあまりなく、チャットみたいな文章での会話が多かったです。

今日はそんな時期に、でんきゅうの地元に初めて遊びにいった時の話を書きたいと思います。もう何年も前の話なのですが、昨日のことのように思いだします。

* 中学生は突然青年に。

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当然ですが私は親族なので、でんきゅうの中学生になる前かなった直後くらいのちょっと細身のかわいい感じを知っていました。その延長線上で彼の容姿を考えていた私は、空港を降り立って驚きおののくことになります。

本人は何故かやたら隠して「絶対にそんなことないよ」と弁解するのですが、既に周囲の発言により「とんでもなく不良になった」という情報は掴んでいる私です。

しかしSkypeでのチャットはかわいい感じで、絵文字とか私以上に使っていたのでなんというか、親御さんにはすこし反抗期なのかな?

なーんて思っていた私が16歳のでんきゅう氏に抱いた第一印象はこちら。

(こわ!!)

服を着ていてもわかるごついマッチョで、ノシノシ歩いています(現在は改善されていますがめっちゃ龍が如くの歩き方でした)。厚かましいことを言って恐縮なのですが私より年上かな?と思うほどの貫禄のある人がそこに立っていました。

私は既に成人していたのですが、九州の方言で一回一回「のう?」(ね?みたいな意味だと思われる)と言われるたびにちょっと敬語で接しそうになりました。

なぞのやけど傷とかなんでついたのか聞くのが怖い・・・

いやいや、そんな色眼鏡でみてどうする。

一人の人間として、成人として、落ち着こう。青少年、そう、少年。受け止めるように接するべきだよ、ね、自分(足ブル)という時間を過ごしました。

しかし怖がっている私に気付かず、彼は終始無邪気にゲームや最近好きな音楽のお話をしてくれました。そのあと慣れない土地で貧血を起こした私のためにコンビニで必要なものを走って買いにいってくれたり、とても気遣ってくれました。

外見にとらわれていたことを反省し、だんだん緊張もほぐれていきました。

*事件

事件は私が帰りの飛行機まで駅前で一緒にお茶でも・・・という頃に起こりました。

突然でんきゅうが飲んでいたジュースの空き缶を捨てて、とめてあったどなたかの自転車のかごの中へいれたのです。 

それはもう 自分の部屋のゴミ箱のように自然に。

私は思わず、「ヒッ」という声がでたのをはっきりと覚えています。

正直、完全に不良の方に見えていたので面と向かうと私の生物としての弱さが際立ちます。この時点でもう既にかなり恐れていたことは否めないのですが、それでも何か「言わねばいけない」という使命感を持ちました。

すこし、いやかなり怖いですが私は成人、りっぱな大人です・・・ここは注意をせねばと思いました。大人として青少年を教え導かんっ・・・と思い

 「かっ缶、だめだよぉ・・」

と蚊の泣くような声で注意しました。しかしでんきゅうはそれを握りつぶして粉砕してもおかしくないような強いしっかりした声で

「エッ、何で?!」

と返します。

その時、でんきゅうはかなり驚いた感じで声を出していました。何でだ?ああん?という感じではなく、「実はね、私はもう そばは食べられない、うどんだけなんだよ。」という意味不明なカミングアウトに答えるような感じの、純粋な響きでした。

 

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当然、私も脳内で純粋に驚きました。頭の中だけで今さっきでんきゅうが言った声よりかなり大きい声で、「なんで?なんでってなんでだよ・・・。」というツッコミをいれましたが、いかんせん暗くて気が小さいのでそれは言葉になりません。

知らない九州の街のど真ん中で、唇だけが震えました。

そんな私のかすかな不満を、感じ取ったのでしょう。

彼は自分なりに思ったことを、大人が子どもに教えるように、優しく伝えてくれました。

「そりゃーイイことではないけどさー・・・オレもされたことあるけど、大したことでもないよ・・・」

つまり彼は言うわけです。

確かにそれが良いか悪いかで言えば良いというわけではないだろう。しかしこの日々流れ行く暮らしの中でその行為をいつまでも気にかけるやつがいるか?この行動自体は大河の一滴のようなもので、どうしてこの行為を気にかけることができようか、いや 出来ない。

それはまるで 「燕雀いずくんぞ鴻鵠の志を知らんや」と浅はかな私が彼の大きな考えに到達していない、と言えないこともない、ような、錯覚に陥りました(心が弱い)

「燕雀いずくんぞ鴻鵠の志を知らんや」

小人物には、大人物の考えや大きな志などがわからないことのたとえ。

出典 燕雀安んぞ鴻鵠の志を知らんや - 故事ことわざ辞典

 

こうなるともう私には術がありません。

そもそも「ポイ捨てしてはいけないのはどうしてか。」

小さい頃どうやってお母さんが私に教えてくれたんだっけとか色々思い出そうとしたけど出来なくて、慣れない土地にきての緊張も手伝って、頭がうまく働きませんでした。しかし、この空き缶を人の自転車にいれることを見過ごしてはいけないという結論だけははっきりしていました。

 

なので、

 「私さ・・・缶 好きだから 持っとくね・・・・」

と搾り出しました。

振り返ると、どうかしてる発言ですがこのときの私には、こうするしかありませんでした。でんきゅうを説得することもできない今、これが一番の選択肢なんだ・・・と思っていました。極限状態です。

そう、私達が今常識だと思っていることすらも・・・子ども達からしたら新しい価値観を踏み潰すような、考えの押し付けなのかもしれない・・・と 錯乱した私はそんなことを考えていました。あと、お母さんに三輪車を押してもらったことを何故か思い出していました。お母さん、漕げたよ!(逃避)

私は空港行きの電車に乗る時、捨てようと思ってしっかり缶を握っていました。

そんな様子を見て、ずっと複雑そうに表情をくるくる変えていたでんきゅうが

  「オッ、オレも(缶好き)やわ。まどちゃんオレにも貸してェ~!」

 

と震える声で何度か言ってきました。

最初のうちはまた缶を投げないか不安だったので、曖昧に笑って握っていたのですが、何度か言ってくるので渡しました。

すると「ちょっと待っててね!」と走っていきました。そして近くの郵便局で職員さんにことわってからその建物の前にあるゴミ箱に捨てました。

戻ってきてから、でんきゅうは何も言わなかったですし、私もそのことには触れずに帰る時間まで雑談をしていました。

お互いにそのことには一年くらい触れず、でんきゅうが東京に来てからこのときのお話をしてみると「あの時はなぜしてはいけないのかわからなかったけど、俺がしていることで困っていると思った。」と言っていました。

*なぜ捨てたらだめなのか

あの時のことをふと思い出して、世の中のおとうさんおかあさんは、なんて偉大なんだろうと思います。みなさんならどんなふうに教えますか・・・?

結局私が何か困ってる、それは缶をカゴにいれたせい、ということをでんきゅうが理解して気を遣ってくれただけなので、

「大したことじゃないのにどうして?」

には私答えられていないんです。

それではいけないなあと思うんですよ。

疑問をもつことは素晴らしいです、新しいことを知ることも素晴らしいです、それに応えたい。でも、いまだになかなかうまくいきません。

いつか、もっと堂々と彼の疑問に答えられるようにならなくてはとここまで書いて思いました。人にものを伝えるってむずかしい・・・!これもコミュニケーションから逃げたせいで発達がおくれているのでしょうか、がんばりますがんばります!!

 

読んでくださってありがとうございます、それではまたお便りいたしますね。

みなさんもわたしも明日もとってもとってもよい一日になりますように!

 

 円野まど