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無性に花が食べたくなるときがある。
そんなに頻繁ではないし、特定の理由も見当たらない。強いて言うなら、食欲があまりなくて眠気が強くなる時期にそうなるように思う。でもそれも思い込みかもしれない。わかるのはたまに、花を口にすると落ち着くことがあるということ。
食べられる花びらといえば、スミレとかバラとかあとはラベンダーとか。
それらの香水は正直いうとあまり得意ではない。
なのに、甘くした花びらを飲み込むとおいしいと思った。
食事というより、のどやくちびるをきれいに洗うような感じがする。
スミレの砂糖漬けがいちばん好きで、たべるとその日はもう食事をしなくてもいいかなと思う。色も夜と同じ色でおさとうがきらきらして、眺めているとしあわせなきもちになる。噛んだ感じはやっぱり、普段口にしているたべものとはどこか違う。皮膚に歯をたてたときにすこし似てる。飲み込むにはややためらう食感。
普段はぜんぜん食べたいと思わないのに、突然とても食べたくなる。
今日、そうだった。
知人とカフェに行って、花の砂糖菓子や花入りのアイスクリームがあったのでそれを頼んだ。
甘い花を食べながら、またしばらくぜんぜん食べたくならないんだろうなと思った。いつも好きなわけじゃなくて、不定期に欲しくなることが不思議だな。
「花なんてよく食べれるね。おいしい?」
花をかじるわたしを見た人が言った。明日は別においしいと思わなくなっているものを今おいしいと言うのもどうなんだろうと答えに困る。
くちもとを触ると、指からかすかに食べた花のにおいがした。
花を食べたことがありますか?
ときどきだけ、好きなものってありますか?
わたしはあります。
それではまたお便りします