こちら孤島のまどよりお便りします

円野まどの恥の多い日々の記録

親と子のささくれ

〒 みなさま

 

親子関係の話をしたときの普通の日記です、

でも愉快じゃない話だからちょっと閲覧注意です(*´∨`*)

 

登場人物

*アイちゃん 仲の良いオネエさん。東京で一人暮らしをしている。実家は神奈川。

*私 筆者円野まど。ひきこもりの甘ったれ。

 

黒ずんだ雲でかろうじて「くもり」だった日。

私はアイちゃんとファミレスに行った。今となっては名前を忘れた新作のパフェを食べながらゆっくり話をするつもりで。彼女は相変わらず仕事でも家庭でもさまざまな板ばさみにあっていて、私はそれをじっと聞きながらドリンクバーを追加注文した。

この前喧嘩した弟さんに、アイちゃんから謝ってあげてっていうことをお母様から言われたらしい。つい最近のことだ。

正社員を辞めてから就職活動をしていない弟さんを心配したお母様が何とか説得して欲しいとアイちゃんにSOSを出した。そうして実家に戻った彼女が弟に、今何を考えていてこの先どうするつもりなのか、大丈夫なのかと話した結果、弟さんは自分らしく生きたいと言って、アイちゃんに老後の準備を普通するものだとか、正社員になるものだとかそういう価値観を当たり前に押し付けないで欲しいと伝え、人生の扱い方が違う二人が喧嘩別れしたという話。

「弟さん、今も怒ってるの?」

「そう。アタシは忘れてた。」

「ふふふ加害者っぽい発言する。」

「そう、喧嘩自体を忘れてるとこかなり加害者っぽいよね。あっちは傷ついたんだよね~。反省しないと。」

アイちゃんはコーヒーにスティックの砂糖を半分いれて掻き回す。

「今日謝りにいくの?」

パフェを食べたせいで何だか肌寒くなって私も温かい飲み物持ってこようかな、暑いとき石器時代は氷なめてたのかな、そういえばそこのココアは最初から砂糖入りなんだろうか、頭の中が忙しい。

「うーん。多分ねえ・・・。お母さんができるだけ早くって言うし。」

「へー。お母さまが?」

「お母さんがあなたは挫折したことがないからあの子の気持ちが分からないのかもしれないって。とりあえず謝ってあげてって。」

「最初、お母様が頼んできたんじゃないの。間に入って何とかしてくれって。」

「でも結局弟が傷ついて殻に閉じこもってしまったし・・・母親っていうのは家庭の平和を重んじるし、弱っている子を助けてあげたくなるのが母心ってもんじゃないの。」

アイちゃんは最後に「知らんけど」と付けたした。

私の経験上、知らんけどが本当に知らんけどだったことはない。

知らんけど許さんぞ、知らんけど腹が立つ、知らんけど悲しいとか、知らんけどの後には大体愉快じゃない感情が入る。知らんけど嬉しい、もあるかもしれない、知らんけど。

彼女は話の途中でドリンクを取りにいった私に「ほんと何のつもり、何ぶってるの」と言って笑った。私はなぜか炭酸水をメロンソーダで薄めるという、自分でも説明できない飲料にはまっている。

「まあ、弟なりに悩んでいる所を話を聞く前に自分の価値観で説教したのは本当だからちゃんと謝ろうと思う。でもお母さんも勝手よね、弟を傷つけたのかもしれないけど、あたしはあたしでお母さんに頼まれた通り弟の為になろうとしたんだけどなあ。」

何でもないことのように彼女は続けた。

なぜ私のまわりのひとはいつも、悲しいことを悟られないように話すのだろうということを考える。窓の外には雨が降ってないのに傘をさしている女性が歩いていた。

予報では雨だったっけと、スマホで天気予報を見ていると泣きそうな声がした。

「求めるから苦しむって分かってるんだけど。」

やっぱり、彼女はお母さんとのやりとりに心を痛めているのだ。

「アイちゃんにいつもごめんねくらい言ってくれたら、いいのにね。」

嫌な見方だけしたら、彼女の立ち位置は弟や妹さんより一段親に近い。

親と子の間にある何かみたいな。

そんなお母さんの右腕みたいな場所。一番上だし、もう大人だし、しっかり者だし、親に甘えるような時期じゃないけど、自分のきょうだいと大きく接し方が違えば気にもするだろう。

アイちゃんが前に言っていたことを思い出す。

「アタシは学校のテストって90点以下は殆どとらなかった。それなりに勉強したしね。そういうの親もフーンって感じで、うちの親は勉強あんまりうるさくないんだなって自然に受け止めてたのよ。でも弟や妹は70点とるだけでめちゃくちゃ褒められてて、外食とかしたりして、子供の頃はアタシだけウチの子じゃない!なんて思ったりもした。」

うちの子じゃないんじゃないの、と思ってドキドキしたことあるよねって話題のときさらっと流れたそれは、印象的だった。

彼女のことを強いとか羨ましいという人は、職場や知人関係にもたくさんいるだろう。

私はそれを聞くと、なんだかちょっとだけ冷えた気持ちになる。

アイちゃんが今日にいたるまで挫折しなかったように見えるのは強いからだとか優秀だとかそういう言葉で片付けられることではない。見えない挫折とかはたくさんあるけど、努力をやめなかったし、何より頑張った。成果を出してないから偉くないわけじゃないけど、成果を出したら褒めてあげれば良いのに「強い」の一言で片付けるような接し方に彼女は何回傷ついたんだろう。

相手の事情を想像せずに 片付けてしまうような「誰かをうらやましがったりずるいと思う感情」。持つのは仕方なくても表面化する人が、私は好きじゃない。

好きじゃないけど。けど、この気持ちは抱いても捨てるようにしている。

誰かを悪者にするのは簡単だ。

自分が正しくなった気になるから、盛り上がるし楽しい。

でもみんなそれぞれ私の知らない何かを抱えてる、想像力が足りないのは私の方でもある。いつも、誰かに向ける刃は自分に戻るからとても不思議だなと思った。

「もーいい大人なのに親に何を求めてるっていうんだろう。」

脇に置いていたメニューをもう一度取り出して眺め始める。顔を隠されると泣いてるかもしれないって思っちゃうから、そういうのドキドキしちゃうから、と思いながら外を見た。一人でめちゃくちゃニヤニヤしているスーツの人が歩いて行く。多分スマホに嬉しい連絡があったとかそういうのなんだと思うけど、こういう人見るとなごむ。

「大人になったからって悟りが開けるわけじゃないから、やだなあって思っていいと思う。」

態度に出すことは別として、と付け加えながら私はパンケーキにアイスをつけるべきか悩んでいた。メニューブックを見なくても注文に迷えるほど通ってしまった。

アイちゃんはメニューを置いて、首をかしげながら私を見る。

「あんたみたいに喋りまくるタイプが母親だったら、どうなっていたかな。」

「子供は大体親に叶わない望みをぶつけて不満を抱いて成長していくものだから、私に子供ができたとしてもいつかは顔にパイを投げつけられると思う。」

「いいなあ、楽しそう。」

「お母さんもお母さんになったからって菩薩になれるわけじゃないから、きっと行き届かないんだろうね。」

「そうね、手が千本生えるわけでもないしね。支えてあげなくちゃね。」

 「でも寂しかったぶんとか支えてもらえなかったぶん、他の人から貰ってね。」

「えっつまりアンタが何か奢ってくれるの!」

「いいよお、何か奢るよ。何食べたい?。」

お父さんやお母さんとか、先生とか、誰でもいいけど、一人の大人に受け止めてもらえなかったときは寂しいけど、きっとそれでも幸せになれる、と、いいなと思ってる。

親子関係が完璧に自分を満たすものじゃなくても大丈夫で、むしろ完璧じゃないから他者も必要で、外に願いを叶えに出かけるのが、成長とか人生の進路のような気がする。

お父さんもお母さんも勿論自分も悪くない、そう考えてしまおうと思った。

生まれた時の家族に満たしてもらったものと外の世界で出会って満たしてもらったものの量が違っても、結果、自分の心の中が満タンになればそれは幸せなんじゃないかなって。それぞれのバランスは人によって違うだろうけど、とにかくずっと何かを悲しいまま持っておかなくていい方法もある、と、信じている。

たぶんきっと私は誰かに分かってもらえなかったことが悲しい時、誰かに分かろうとしてもらえて嬉しかったんだと思う。

とりあえず私の好きな人たちのために、私ができることがあるなら喜んで何かになりたい。道化とか母親もどきでもできるなら何でも。

「手巻き寿司たべたい~イカ納豆の具ありで~。」

「えーそんなのでいいの。」

「あんたからたかれるわけないでしょ~。でも、まじめに食べたいイカ納豆が!」

「わかったでも、ここ出る前にもう一杯だけ飲んでいい?」

「なんでメロンソーダを炭酸水で割るの?」

その質問には答えずに私は席を立つ。

アイちゃんは甘えていいよと言われても、相手の「甘やかしてあげたい」という気持ちを思いやってしまう人だ。そして、その人がそれを遂行して満足できるように、ちょっとの努力で叶えられるようなお願いをする。そして、楽しそうにしている相手を見てにっこり笑う。

そういうの、見破り続けたい。

友情に倦怠期があるのかわからないけど、それがないように、覚えておきたい。

ドリンクバーのカウンターの前で、片手でけいたいをいじる。Amazonで明日届くようにアイちゃん家に漫画を送った。

これは些細なことだけど。

予想できるいいこといやなことの他にも予想できないなんか良いこともたくさんある。

そう思うから生きていけるときもある。

そう思って生きていってほしい。

*あとがき

 普通の会話で自分の心に残ったことなんで、おちがなくて申し訳ないです(*´∨`*)

私にも親子関係のことでちょっとした心のささくれになってることっていうのが、前はあったのですが最近は「大人になっても万能にはなれない」ということがそれはもう実感としてあるので、なんだか、望むよりかなえる方法を考えるほうがきっとよいのだなと思うようになりました。そんな話でした(。・ω・。)

もちろん、そんな風に思えないほど悩んでいる方もいらっしゃると思うので、あくまで私は、ですよ(*´∨`*)万人に通じる幸せになれるなにかがあるといいなあ。

ワハハハ!

今週はちょっと体調を崩した一週間でした。

でもやりたいことはいっぱいあるですよ。ラジオはちょっと休んでいるんですが再開するか移動するか、考えています(*´∨`*)!

みなさんがお元気でありますように・・・!

それではまたお便りします!

円野まど

 

f:id:ma-corpus:20170930100022p:plain




 

アイちゃんとご飯食べてる話が多いのでカテゴリにしないと・・・と思う今日このごろ・・・!

www.ma-corpus.com

www.ma-corpus.com

www.ma-corpus.com