こちら孤島のまどよりお便りします

円野まどの恥の多い日々の記録

日々の詰め合わせ 十五号

〒 みなさま

こんにちは!円野まどです!

また喉がはれて咳がでていて、免疫力を高める為にはもうネギを丸かじりするしかないのかも?と思っています。ネギがすきなのでいけないこともない・・・というやぶさかでない!みたいな感じがおそろしいですが、日々の詰め合わせ15号、よろしければお読みくだされ。

 

 

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*今回の登場人物

しゃん 私のパートナーで家主。

私 筆者円野まど しゃんの家の居候

アイちゃん 私の知人 年上のオネエさん。

 

 

*険しい顔に甘い声

しゃんとお出掛けして、昼を少し過ぎた頃。

電車を降りて改札に向かうエスカレーターに踏み出す。

一段下に乗っている同行者を振り返ると、その更に下にはとても険しい顔の男性が立っていた。スーツを着て、ビジネスバッグを持っていたのでお仕事なのだろうと思った。

勝手な想像をする。

今日は土曜日だから、遊びにいく人の群れの中お仕事にいくのはちょっと大変かもしれないなあとか、暑いのにスーツだから苦しいのかな、とか。

その人はもう中年くらいの方だったのですが、腕にした時計をしきりに確認してまた眉間の皺を深めた。私はしゃんと雑談していたのだけれど、あまりにも厳しいその表情に時々目を奪われてしまった。

スマホではなくて、時計で確認をする様子がなんだか落ち着いてみえる。

大江戸線の深いエスカレーターもやっと終着点について足を踏み出した瞬間おじさんのことも頭から離れた。この後どうする、と口を開こうとすると改札の向こうからとてもよく通るかわいい声が駅構内を駆け抜けた。

「おとうさーん!」

小学生くらいの女の子が大きく手を振る。

1人だ。彼女のまわりに大人の姿はない。

スッと私達を追い抜かして先ほどのおじさんが改札を抜けていく。

少女の顔が輝いた。

Tシャツにスカートを合わせて、雨傘を持っている。

外は晴れていたような、と思いながら改札を通り過ぎるとき

「待ってたー!」

と言う愛らしい声が響く。

「パパのこと迎えに来てくれたのぉ~?」

という力という力が抜けたおじさんの声を背に私はどんどん彼らから離れた。

まっまさか同一人物だと言うのか?!

と思ってしまう程の甘い甘い響きがそこにはあって、思わず頬が緩んだ。

骨抜きにされる、という言葉を久々に思い出した日だった。

*食い意地の賜物

はじめての自慢話

多分五人に二人くらいはこういう方がいると思うので自慢にもならないのだけど。

私は外食をすると食べ物の味を覚えてきて、家で作り直すということを結構する。

子供の頃からすごく食い意地が張っていたので、家でいつでも食べられたらいいなあと考えたせいなのかもしれない。

複雑なものを出されたり知らない食材だとできるかは不明で、絶対再現できます特技です!と押せるほどでもない何か多分こんな感じです・・・みたいな微妙なところであるけれど、忘れられない思い出がひとつ。

私が小学生の頃。お母さんが疲れている時、夕飯の支度をしなくちゃといいながらソファで眠ってしまったときがあった。その間に母の好きなお店の親子丼を再現してみた。

(もちろん出汁をとっている時間とか、プロの腕前には程遠いので「あの味 風」なだけです)

起きてきたお母さんに親子丼を出すと一口食べて「どうして?」とぱあっと笑った。

お母さんのその顔をみるためなら千回だって、一万回だって、作れると本気で思ったことを今でも時々思い出す。

 

*お年頃

この前アイちゃんが遊びに来た時のお喋り。

少し前にアイちゃんは甥っ子の迎えを頼まれて中学校に行ってきたそうだ。

門の傍で車を止めて、すれ違わないように車の前に立っていると会釈をして

「さようなら」と声をかけてくれた女生徒がいた。

品のいい子だな、と思って「はいさようなら。気をつけてね。」と返事をすると少し離れたところにいた女性が大声で笑った。その人はその子のお母さんだったようで

「なあに今の?さようなら(裏声)だって!!誰?えっママにも言って!」

と笑い転げていると、女の子はみるみる不機嫌になり、車に乗り込むときドアをバンッ!と閉めたそう。

その子はアイちゃんを甥っ子さんの保護者だと知っていた、というのは後から聞いた話でそれよりも

最後に横目で見た女生徒の顔はそれはもう烈火のごとく怒り昂ぶっていたように見えて、思わず苦笑してしまった、と楽しそうに教えてくれた。

「お母様が、からかったというより、あまりにも可愛くて笑ったこと、あの子はいつか知るのかしら。」 

アイちゃんがそう言った後、私達は無防備に反抗して見せた頃のことを思い出して、笑いあった

最近は人の強がりが、心配ながらも、愛らしく感じます。

 

*あなたは美しい

人気のある場所はとにかくどこでも並ぶ。

商業施設のお手洗いのことだ。

私の数人ほど前に髪の毛を明るい茶色に染めて、真っ赤な口紅をして15センチはあるかもしれないハイヒールを履いた女性がいた。

ゴールドの大きなピアスをしていて、なかなか進まない順番待ちの列の前から後ろまでを時々見渡していた。私が彼女を見つめていたのには理由があって、綺麗な人だった。

髪をかきあげながら悩ましくため息をついて、カバンから小さい瓶を取り出すとシュッとふりかける。

なんとも妖艶な香りが室内に充満する。

 

ボディラインのしっかりわかる、海外っぽいお洒落をしているけれどよく似合っていて、いるところにはいるなあというような事を考えていた。

そうこうしているうちに列がすすみ、次の個室があけば彼女の番というところまできた。つまり私の番ももうすぐだ。結構長い事並んでいたので、私のすぐ前にいる小学生くらいの女の子も足をタンタン踏み鳴らして、急いで行きたそうにしている。

私はスマホで開いていた生産性のないパズルゲームを閉じて、その時がきたらスムーズに入れるように手ぶらで待ち始めた。

ついにあのハイヒール美女の番が来た。彼女はぐるっと振り返って、腰をかがめたと思えば

「ねえ、先にいっていいよ。」

と私の前にいる子に言った。特に甘やかすような言い方ではなかったので一瞬、何が起こったのか把握できなかったけれど、順番を譲りたいようだ。

小学3,4年生くらいだろうか、その子は少しもじもじしていたけれど美女が「お姉ちゃんちょっと、カバンなおすから先いってよ、ね。」と言うと、返事もせずに駆け込むように個室に飛び込んだ。その様子から「緊急事態寸前」だったのがわかった。

お姉さんはもちろんカバンを持ち直さずに、また髪をかきあげた。

(か、かっこいい)

思わず目を見開いて彼女を見つめていると視線に気づいて、ふっと笑った。

「長くて嫌になっちゃいますね。」

そう言って少しけだるそうにもう一度微笑む。

動くたびにいい匂いがした。

なんて綺麗な人なんだろう、とさっきよりたくさん、そう思った。

 

*あとがき

いつもより少し長めのお話があって、読みにくくなっていたらすいません。

今週は何かと美人とすれ違う一週間で、控えめに言って最高でした・・・。

最近青春もののアニメを見ながら、けがれた大人の視点でつっこみをいれてから

笑ったり感動したりする、という悲哀のある遊びにはまっています。

暑さが増し始めた中、室内の中に笑いの宇宙を見出そうと思うそんなインドア派の

円野まどからのお便りでした・・・!!

みなさま暑いのでどうか、水分の補給を忘れないでくださいね。

それではまた、お便りいたします!

 

追伸

はてな界のエンジェルまけもけさん(id:make_usagi) に言及していただきました!

私などが説明するまでもなく、まけもけさんは皆さんの心にいると思うのですが

改めてご紹介さしあげますと、浮ぶように世を生きることのすばらしさを感じるすてきなブログです、そして時々話のついでのように登場するまけもけさんのおやつがおいしそうすぎてつい食べたくなってしまうという、不思議な魅力もぜひ感じてくだされ・・・!

 

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