こちら孤島のまどよりお便りします

円野まどの恥の多い日々の記録

日々のメモ2

〒みなさま

 

こんにちは円野まどです。

 

今日もツイートライクな長文にならなかっためも。

日々のめも.2

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*ダイブ

 

私は料理が割と好きだ。

上手かどうかはさておき、とにかく好きだ。

月曜日、上機嫌で野菜を切り始めた。

かっこつけておしゃれな音楽をかけてコーヒーを飲みながら、調理が進む。

気分がいいから、1人でちょっと歌う。

曲が一番盛り上がるところでもちろん自分も盛り上がっていたよ。

ぽちゃん。

豚肉のスライスがコーヒーに飛び込んでいった音だった。

そう。歌でのりにのった私が台を揺らしたせいで彼は落ちた。

運命よ。聞こえているだろうか。

豚肉は洗えば使えるかもしれない。

しかしコーヒーは、私のコーヒーはどうなるのだ。

 

*おじさんの天使

この前バスにのった時。私は比較的後ろの方の座席に座っていたんだけど、だんだん混んできて前のほうは立っている人が出た。

そしてそれから幾つかバス停を過ぎると、おばあさんが乗ってきた。

細身で小さく、立っていると押されたりバランスを崩したりしそうなか弱そうな方だった。私の斜め前に座っていたスーツのおじさんがハッとした感じで動き出した。

前の方のつり革も、掴まるところも、もう他の方が使っているのでおばあさんがバスの中をよろよろと真ん中に向かって進んで来る。

おじさんは腰を浮かせたり、座ったり、腰をまた浮かせたりして、おばあさんが歩むのをそわそわ見てた。

自分の席を譲ろうとしてるんだ、と気づいた。

おじさんが立とうとする、おばあさんが緩やかに進む、たった一分くらいのことなのになんだか見守る気持ちで息を飲んだ。おばあさんがおじさんの席のすぐ傍に来たとき、おじさんの前に座っていた制服の女の子が立ち上がって明るい声で言った。

「この席どうぞ、座ってください!。」

おばあさんはにこやかに頭を下げて、そこに座った。

おじさんは浮かせてた腰を落としたあと、頭を少しかくように何ども手を往復させる。

女の子もおじさんもどっちも素敵だなと思った。

おじさんも天使。

 

*お年玉の思い出

小学二年生か三年生の時、たくさんの人が集まる機会があってお年玉もたくさんになった。貯金しようねと少し抜いても私の手元に数万円は残った。

両親はいい機会だからお金のことを少し学んで欲しいようで、なくなっても来年までお年玉はないからね、一年大事に使ってご覧と言った。

私は次の日、デパートの花屋さんで蘭の鉢植えと百合の花束を買ってすべてのお金を使い切ってしまった。鉢植えをよいしょよいしょと運びながら、花束を背負ってドアをあけてお母さんの部屋を花だらけにした。お母さんの誕生日だったからだ。

お母さんは驚いたし、ちょっと私の行く末が不安になったようだった。

一人暮らしをしてから経済観念は多分ついたけど、物欲は今もそんなになくて、何かすてきなことがしたくなる。

ただそのお年玉の時、お父さんには「話聞いてた?」とめっちゃくちゃ怒られた。

うん、まあ確かに。金銭感覚、とても大事。

お母さんも、「こんなことしてもあなたに悪いなっていうか、そんなに喜べないよ」と困ったように言っていたけど、寝る前にお部屋をのぞいてたら花束を抱きしめて香りをかいでいたので私はひひひと笑いがもれてまた怒られた

電話

夜。多分神田あたりのコンビニで携帯電話を見ると母から何度も着信がきていた。

迷ったけれどかけなおして他愛もない話をした。

夜中だから少し声をひそめてケラケラ笑いながら最近の話題を交換する。

21時を過ぎていたけどたくさんの人とすれ違った。

そのまま十数分電話をしながら駅に向かって歩く。

「じゃあ家に帰るまで充電もたせたいから切ろうかな、ごめんね。」

と一言謝って電話を切ろうとした時母が言った。

「うん、いいの。なんだかあなたのことが急に気になってかけたけど、元気でよかったわ。」

通話が終わった時ちょうど壁面が鏡のようになっているビルの前に居た。

思わず顔を確認する。

さっき泣いた涙のあとがまだ頬に残っていて慌ててぬぐった。

母にはこういうことがよくある。

いつも「なんとなく」気になるのだという。

どうやって分かるのだろう。私もいつか、分かるようになるのかな

お手洗いの不思議

夜中に作業をしていて、ふとお手洗いに行った。

そして何時間かして廊下を通り、また向かう。

ドアをあける前に灯が点いているのが見える。 

最近窓から侵入される事件が多いことを思い出す。

緊張して、心臓の音が聞こえるほどドクドクして

「だっ・・・誰ですか・・・?」と声をかけた

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返事はなく、緊張もマックスでワイパーの棒を持ち

バッ!と開けたらそこには誰もいなかった。

そしてわたしは握り締めた銀色のスティックを見て肩を落とし

自分が電気を消し忘れたことにようやく気づいた。

 


*ミヤモトさん

近所のスーパーのレジにはミヤモトさんがいる。

私が勝手に名づけただけでまったく本名ではない。

私が小学校の時の同級生である宮本さんのお母さんに激似という、誰得情報が胸の内側に溢れに溢れて心の中で勝手に呼び始めた。

ミヤモトさんはいつも、感情のあまりこもらないレジをする。

遠くからでもあそこのレジがミヤモトさんのレジだな、と分かるほどとても顔が白くて、常に真っ赤な口紅を塗っている。

ただすごく速い。箸にいたっては、勝手に入れてくれる。

あ、お箸貰えばよかった~と後で不安になる方も、ミヤモトさんならノープロブレム。

そっと袋を覗き込んでください。其処にあります。

ミヤモトさんはレジを打ちながら必要と思われるものを黙って用意し、

極力こちらと会話をしたくないのでは?と感じるレベルでスピーディな対応をする。

はやいのはいいけれど商品がつぶれたり、変な順番でカゴに入ってない?と思う方も、ミヤモトさんならノープロブレム。

ミヤモトさんは商品を雑に扱うことはない。

待機中もお店の広告を読んだり、レジ周りを整えている姿ばかり見かける。

プロ、プロだ。彼女こそプロのレジだ。

暇で誰か偉い人がいない時なのかな、店員さんが少し雑談している時がある。

もちろんミヤモトさんは黙して語らない。

誰かが見ていても見ていなくてもちゃんとしちゃう人ってめちゃくちゃ褒められてほしい、ミヤモトさん・・・!とミヤモトさんと鮮魚コーナーに熱視線のスーパー。

火曜日。そんなミヤモトさんのレジに、見慣れない人がいた。

高校生くらいの女の子が「研修中」というバッジをつけて、緊張した面持ちでレジに立っていた。ミヤモトさんは後ろで監督をする役のようで、いつものように何の感情も浮かべないまま、そこに立っていた。

商品の一つがピッとスキャンして読み取るのではなく、直打ちしなくてはいけないものだったようで、女の子は一瞬ミヤモトさんの方へ振り返り、あるボタンを弱弱しく指差す。

ミヤモトさんは声もなくただしっかり頷く。

女の子は唇をキュッと結んだ後それを押し、強張った笑顔と声で最後に会計金額をこちらに伝えた。

その時ミヤモトさんは真顔のまま両手をギュッと握り締めて、小さく「よっしゃ」と言わぬばかりにに揺らした。

かごを持って袋詰めする棚に行くとき、振り返る。

レジの女の子は本当に嬉しそうに「やり遂げた」顔をしてミヤモトさんと何か話している。

それから私はミヤモトさんが笑顔になるのを初めて見た。

なんだかすごく、得をしたように思った。

 

*音楽の聴き方

たまに同じ方がいるので、読んでくださってる方にいないかなと思って書きます。

私はとても気に入った音楽があるとそれだけを何百回も聴く。

数日だったり一週間だったり、とにかく寝ても覚めてもそればかり聴く。そしてある日パタッと聴かなくなる。身近な人に「何この気が狂いそうな音楽の聴き方・・・。」といわれたのですが、たまに「同じ!自分も!」と仰る方いてなんだか嬉しい。

ちなみに聴いているときはただただ無心。聴いてる感覚が好きでそうしてしまう。

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それではまたお便りします

 

 

 

円野まど