こちら孤島のまどよりお便りします

円野まどの恥の多い日々の記録

おひめさまと私

〒みなさま

こんにちは円野まどです

なんだか急に寒くなって、布団で丸くなって膝と胸をくっつける体勢になってみました。あ、これ落ち着くと思いながら年末は何をしようかなと考えていました。

その時思い出したので今日は時々、女の子に説明しがたい感覚を抱く私の話を二つ書きます。

 

おひめさまと私

 

f:id:ma-corpus:20171112042704p:plain

 

*割れた体温計

小学生の時のこと。実験室にある硝子の温度計を割ってしまった女の子がいて、どうしようと泣いていました。ポッキリと折れたそれの前で、皆息を呑みました。担任の先生は、不注意による失敗にとても厳しい人だったからです。

私はその時その子と親しくなかったけれどクラスメイトなのでどういう子かは分かっていました。いつもピンクの小さな櫛をポケットに入れている、とてもおとなしい女の子です。その時もかわいそうなくらい震えていたのを覚えています。

何人かの子が、振り返りながら自分の席に戻ります。もうすぐ先生が戻ってきて、どんな顔をするか怖くなったのだと思います。

私はあんまり考えずに、一歩前に出て自分の足でもう一度温度計を踏んで砕いたあと、「私がやったことにするよ」と言いました。泣いているそのこに大丈夫だよ、と言いたかったのですがそれは声に出ませんでした。

何となく、その子を守らないといけないような気がしました。

私はちゃんとした女の子ではないのだからこういう時は変わってあげなければ、と何故かそう思いました。それは、自分なんて・・・という気持ちじゃなくて、そこに「自分は男なんだから」とあてはめることに近かったと思います。

なんだかそうすべきなような気がしたのです。その女の子は世界の終わりみたいに泣いてるし、私も怒られるのが怖くないわけじゃないけど何となく思いました、「夕ご飯を食べる頃にはとっくに終ったことになってるんだから」って。

そういう感覚になることが、たまにありました。

正直に告白するのは惨めなほど、いつもは女の子に好かれようとあれこれ正解しない計算をしているのですがたまに頭がすっきりとして、なすべきことをしなければと感じることがありました。自我の境界も分からなくて、闇雲なころ特に。

結果として、先生は廊下の柱の見えない影で思い切り私を平手打ちしました。

ただ何故か偶然その日の夜私のすきなものが夕飯で、なんだか人生ってうまくできてるって感じたのを覚えています。

振り返れば他にもっとスマートな方法があったでしょうに、私はちょっとばかでそれしか思いつかなかったんですよね。後から親しくなった人にその話をしてて、どうやったらその子も自分も無傷でいられたかという話をして、タイムリープしまくって解決しようみたいな話でもりあがって笑いました。タイムリープして温度計が割れない未来を切り開くんだ(時かけの音楽をBGMに)!

ここだけ見ると、私が男子っぽいって思うかもしれないんですけど男の子に対してもいつも男の子ばかり強くいなくちゃいけなくって、大変なんだなあって思う時があります。男の人の苦しんでるところを見る機会が何度かあって、私はなんとなくすべてのひとが困ったり悲しんだりするんだなってことを時々思うんです。

じゃあ私は自分をどんな性別だと思っているんだろう。今もまだ、分からないです。

生物学的にははっきりしているのですが、「自分は女性です。」という時なんだか罪悪感やてれがあって、この気持ちはなんなのか、時々考えています。

ただ楽しそうなんでその時々でこれが女子力!とか、おいどんも男だから~!とか叫びながらゲームはしています。

よくわからないけど、誰かを傷つけずに自分も傷つかずにいたいなあ。

 

*お姫様の話

話は現在に戻って、この前すごくかわいいひとがいたからお伝えしますね。

でんきゅうとローソンに向かっている時、お店の少し手前で彼が急に走り出しました。そしてドアを開けたのです。

そこにはおそらく80歳は越えていらっしゃるんじゃないかな、と思うご婦人がいました。そのご婦人は背中がまあるくなっていて、大きな鞄を背負うように持ってすこしフラフラしながら歩いていらっしゃいました。その方がローソンを出る時、ドアを開けるのが難しいだろうと(自動ドアではなかったので)いち早く走ったでんきゅうに対して自然に笑顔がでる、という話になるところだったのですが彼と同時に走り出した人がなんと他に3~4人もいたのです!

一人がドアを開けて、一人がゆっくり進むご婦人が階段を降りるために手を支えて、他の人がそれを大丈夫かなって見守ってたんです。よろけてもいいように、階段の脇で待機していたのです。

その光景を階段の下でニヤニヤしながら見ていた私はちょうど階段を降りたご婦人と目が合いました。道を譲ろうとする私に対してその人は素敵な笑顔でいいました。

f:id:ma-corpus:20161229040957p:plain

「あのね なんだかみなさん 優しくって 

わたし おひめ様になれたみたいで うれしいわ」

 

ぱーっと明るい笑顔、本当にうれしそうで、ハグしてもいいですか!ってくらいかわいい笑顔でした。

うん、今並んだ人はあなたのために駆けつけた従者で、あなたは今おひめ様でした。

その笑顔が見れるだけで頑張れそうです。というような言葉を浮かべながら、私は、なんだか、やさしさ補給タンクにだいぶ注いでもらいました。

なんだか時々ほんの一瞬だけ、おひめさまを守る騎士はかっこいいなと思います。

そんな甲斐甲斐しさないけれど、でも、なんだか無性に憧れる瞬間があります。

今日はちょっとくさくさするというか、悩むというか、イヤだなって感じることがあったんですけどなんかそういうの見てたら大丈夫って思いました。そんな気持ちで帰ったらブログのコメントを見て前転する直前みたいな体勢で泣きそうになるのをこらえました。やさしさに救われることってたくさんある。

生きるの好き、大好き。大丈夫。

 

何歳になっても女の子はかわいいし、男の子も大人になっても泣いてもいいと思う。

大事なことは1つだけ。

自分の本当に望んでることを見失わないでいたい。

そんなことを思いながら、ペットボトルのあたたかいお茶を買いました。

うまくいえないけど、女でも男でもないけれど本当に優しいひとになりたい。

誰かに褒められなくてもやさしくできるひとは、ほんとにすてきだなって思います。

話したいことがたくさんあります、聞かせてほしいこともたくさんあります。

だからまたお便りします。

円野まど