こちら孤島のまどよりお便りします

円野まどの恥の多い日々の記録

こちら孤島のまどからお便りしています

 

 〒みなさま

 

12月になって何処へ行っても商業施設はクリスマスソングを流しています。

 私は新しい事をはじめたいなと思っては、ベッドから出て寒いなと紅茶をいれて、

そういえばあの本を読んでいないなと思い出して、靴下を履き

考えないようにしていたけれど悩みがあったなと、爪を切るような生活をしていました。

心機一転ブログのタイトルも新しいものにしようかな?と思ってあれこれ候補をあげて、結局触れるのも微妙にしか変えないという、自己内面における保守性をまざまざと見せ付けられる結果となってしまいました。

子供がわずらうように、何かしら人目をひきたいと願って色をつけようとあれこれ考えたり、工夫のつもりで飾ってみたり、早朝のテンションのせいで「パープルミルキーウェイ」みたいな方向に曲がってしまったり、行動とは人格のミニチュア模型のようです。

結局私が書き始めた理由に辿りついて、それの助けになればとほんのちょっとだけ付け足しました。三文字ですね。

たった三文字の改革を行いたくて、パープルミルキーウェイまで持ってきて、なんとも情けない気持ちもありますが、しゃんが大声を出して笑ったので意味があるならそれでいいと思えるようになりました。

何度も繰り返すけれど冬が好きです。今日でんきゅうと寒いなか笑い転げながらファミレスに行って、サンドイッチとコーヒーを一時間おきに注文しました。

まだ二歳くらいの子供がこちらを見ていたから二人で頑張って笑わそうとしたけど彼女は目を見開いてこちらをただ見つめるばかりでした。

私達は二人とも入賞を逃したというか、どちらも栄光を得ることが出来なかったのだけれどその子は私達に女優も顔負けの美しいまばたきだけ一つ与えてくれたので良しとすることができました。

あたたかいコーヒーを買ってさむいさむいと言いながら家に向かって、5分くらい歩いた後振り返ると駅前のイルミネーションの群れが随分遠くに見えました。私はそのたった300秒でクリスマスに浮かれる光の当たらない場所に来てしまったことが、さびしくて何となく怖い気持ちになり出来るだけ笑い声をたてて帰りました。

自分たちの影もうつらない帰り道の中で、足の先が冷たいことを誤魔化しながら楽しいと思える話題を選んだり、目の前のことしか自分にはないように振舞ってみたりしながら時間をやりくりするのです。

冬は美しいけれどこういう横顔があります。

装飾されたものを何もかも落としてしまって、あるがままの姿を見せるときそこには小さな闇やどこに浮かび上がるものに厳しさを見せたりします。受け入れてしまえばそれこそが幸せだったと感じるには、まだ見えない遠くの場所のことをしっかり考える必要があるのに、私はこの年齢になるまでにどれくらいそれが出来たのかなというようなことを考えます。

さっきまであんなに騒がしかった音はもうずっと遠くに。

人の時間もあっという間に消えそうなろうそくになってしまうのかなと怖くなったけれど、いつかしゃんが言っていた「できるだけ楽しくしてれば大丈夫」という言葉を思い出したら、不安でふらふらしていた胸が光ったように思えました。

だから今日再開します。

 

どうかこれを読むあなたに嫌われませんように。

あつかましいけれど願っています。

 

それではまたお便りいたします。

 

円野まど

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