こちら孤島のまどよりお便りします

円野まどの恥の多い日々の記録

わたしはいつもサイコやろうと一つ屋根の下

 〒みなさま

 

東京はあたたかくなったり、突然冷えたりと風邪を引きやすい日が続いていますが、いかがお過ごしでしょうか。

今年も雪がふるかもしれないよという話に、引きこもりなので喜んでいましたがお勤めに行かれる方にはたまったものではないですよね。路面が凍った時はですね・・・靴にこう、縄をまくとすべりにくいといいます 是非お役立てください。うふふ

そんなこんなで、昨日でんきゅうの思い出をかいたわけなのですけれども、そういえばしゃんと暮らしはじめたころってどんなだっけと思い出してみました。

しゃんは新卒で入った会社をすぐにやめて、少しだけ派遣をしてた時期があってそこで大学生の私と出会いました。その頃わたしは一人暮らしをしていた部屋にトラブルがあった事と体調不良で働けなくなることが重なって卒業と同時に実家に帰ろうとしたんですけどしゃんはその時わたしにいつまでいてもいいよ、と家にいさせてくれました。

しゃんは何も言わなかったですけど、まだはたちそこそこで、貯金があるわけもなく、わたしのせいで つつましい暮らしを強いてしまいました

それでも、なんだかんだ、自炊を楽しんだことばかり思い出します。

安くて美味しくて、栄養のあるお料理をつくることにはまって、遠くのやおやさんまでお散歩がてら買い出しにいったり、二人でピザを作ったり どんどん料理レベルがあがることが楽しくて、外食いらなくない?とか調子付いてました。

ものすごく安いレンタルDVDのお店があって、そこでめちゃくちゃ映画をかりて 作ったお料理を並べて、 子供の頃世界はこうなってるんじゃないかなって思った話を一晩中話したり。どこかにいけなくても、おうちがどこかになり得る感じでした。

ちなみにしゃんは しみったれた過去がアタシはだいきらいよ!っていう感じで、苦労したことを振り返るのは好きではないのです。ちょっとわかる気もします。でも、捨て置くにはもったいないお話があって、それを聞いていただけたら嬉しいです。

そんな生活の中しゃんがもう一度就職して、正社員になった時のお話です。

 

しゃんの思い出1

 

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初任給がでた、という報告のあと新宿に買い物に行こうと誘われました。

さらっと書いていますが、とてもすごいことでした。

当時は生活の運営がぎりぎりで、真剣に新宿に用事がなかったからです。だから、しゃんが正社員になってお給料がぐんと上がって、スーツを買いにお店にいけることがうれしくてうれしくて。

私が甘えてしまったせいで苦労してたぶん、おしゃれでカッコイイスーツを買って欲しかったです。

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ファッションビルの8階にメンズフロアがある、ということをいち早くしらべて

その手柄をアピるためにでかい声で吹聴していたら、しゃんは財布売り場の財布を手にとっていました。そしていくつか持ち替えて、そのうちの一つを選んで

「今日はこれ買ってもう帰るよ。」

といいました。

 

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生活がぎりぎりの中、洋服とかと違ってお財布まで気をつかえてないこと、しゃんは気づいてくれていました。でもわたしの財布なんて、なんていうかあたりまえなのに。

 

 

 

 

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 ちょっとほんとに、今起こったことありのままに話すぜ(マドナレフ)ってかんじなんですけど、

 お店で泣きながらなんとか笑顔をつくる私に、微笑をうかべて近づいてきたと思うといきなりおでこを バチィ!!!とたたき出しました。

なーにいってんだよ、コツン★みたいなものではないです、普通に。ごく普通に成人女性が成人男性に往来でデコを叩かれました。たいしたことないようですが、なんていうか三丁目の夕日モードとでももうしますか、ややヒロイックな気持ちでいたところ どないやねーん!といきなりツッコミが入るみたいな、そういう、ドラマの途中で漫才が入るような、独立していたはずの世界が混濁し、そこは混沌となるみたいな、そういう瞬間です

 

 なあ・・・おかしかろ・・・おかしかろうが!!

 

と、いえるほど状況を把握できず、とりあえず私は笑いました。しってます?人ってホントに驚くと平静を保とうとするんですよ、ウフフ

 

 

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しゃんからもほんとうに無邪気な笑顔がかえってきました。

「だってまどちゃんってホント泣いててもおもしろーい!たたきたくなるっ」

といいながら心から楽しそうにコロコロわらっていました。(※照れ隠しとかではなかったです。まるで少女のように笑っていました・・・)

 

なに本当どういうこと・・・?

 

知らないうちに私がベジータみたいに「どうだ 俺の顔面に一撃だけでもくらわせられたら遊園地につれていってやるぞ」とか 言ってしまったんですかね?つまり遊園地にいきたかっただけみたいな・・・?うん?

 

・・・。

 

本気で状況がつかめなかったんですけど、私はこのときああこの人ただの良い人じゃなくって、すごいサイコなんだなってことをその時理解しました。

 

特にオチはないんですけど、完全に実話っていうか、もう本当にあたまおかしい話だなってなんど思い返してみてもおもうんですよ。だって、今までの流れを考えると絶対に、絶対にここは一緒に ここからまた、ふたり・・・みたいにちょっと感動する流れでおわるはずじゃないですか。ここの絵も、

ふたりの後姿とか書いてレモンイエローとか、やさしいオレンジ色のなんか淡い光に包まれてぼんやり なんとなく今日ふたりは出会ったときのメニューを食べよう みたいなかんじでうまくオチるとこじゃないですか?

いや、漫画脳なんで私はそういうかんじでおわると思っていましたよ。完全に。

自分に酔いしれて流した涙も乾ききった瞬間でしたが、今でもそのお財布は捨てられずにとってあります。80歳くらいまでにはおでこ叩かれた記憶の方はうまいこと改ざんしておこうと思います・・・。気にかけてもらった・・・、私は気にかけてもらって財布をプレゼントしてもらった、いいはなし・・いいはなし・・・復唱します いいはなし・・・!!

 

本当になぞのエピソードだったのですがどなたか一人でも、バカだなあとご笑覧いただけたら嬉しいです。

それではまたお便りいたします。

 

 円野まど