こちら孤島のまどよりお便りします

円野まどの恥の多い日々の記録

ポイ捨てしてはいけないのは、どうして?

 

 〒みなさま

 

東京はあったかくなったり寒くなったりで、風邪を引いてしまう方が増えているそうです(しゃんの職場調べ)みなさんはいかがお過ごしでしょうか。

私は最近ブログを書いているうちに、書きたいことがわかってきて、もしかしたら全部のアクセスが間違って押しちゃった方かもしれないけれど、こうして書けていることにとても感謝しています。

もともとこのブログは一つ一つがボトルレターみたいなもので、どなたかのところにふっとたどり着いて、少しでも笑っていただけたらうれしいなって思っています。

私には生まれたからいるわけではない二人の家族がいますが、そのうちの1人、私の弟のような存在のでんきゅうのことを今日はしたいと思います。

 

ポイ捨てしてはいけないのは、どうして?

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 *上京する前のでんきゅう

今まで読んでくださっている方がいらっしゃいましたらご存知だと思いますが、でんきゅうは進学で東京に来まして、もともとは九州に住んでました。

上京するまでは主にネットでみんな一緒にゲームをしたり大学とはどんなところかとか、進路トークをしていました。この「大学とはどんなところか」という話をしていたところがポイントで私はけっこうお姉さんぶって色々訳知り顔で話していました。

あの頃はなんかこう、大人になった気がしてめっちゃクールにきめてる時とかあったので本当恥ずかしくて入るための穴を常備しておきたい気持ちでおりますっ・・・。

二人ともPCに向かっていることが多かったので、連絡をとることがあればSkypeとかで話していました。今でこそ面と向かって、「でんきゅう!!!ちゃんとしなさい!」みたいな何気取り口調で喋れるのですが、当時の私はでんきゅうと親しいといっても、やっぱりオンライン上と申しますか、文章での会話が多いですから、それなりに人見知りをしてビクビクしていました。

今日はそんな時期に、でんきゅうの地元に初めて遊びにいった時の話を書きたいと思います。もう何年も前の話なのですが、昨日のことのように思いだします。

* 中学生は突然青年に。

私はもともと知り合いなので、彼の中学生になる前かなった直後くらいのちょっと細身のかわいい感じを知っていました。そしてその延長線上ででんきゅうのことを考えていた私は空港を降り立って驚きおののくことになります。

本人は何故かやたら隠して「絶対にそんなことないよ」と弁解するのですが、既に周囲の発言により「とんでもなく不良になった」という情報は掴んでいる私です。

しかしSkypeでのチャットはかわいい感じで、絵文字とか私以上に使っていたのでなんというか年下のかわいい感じを想像していました。そうはいっても高校生くらいの子。

大学生から人は急に大人な世界を知ると思いません・・・?(わけしり顔)

なーんて思っていた私が16歳のでんきゅう氏に抱いた第一印象はこちら。

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「こわ!!」

服を着ていてもわかるごついマッチョで、やたらノシノシ歩く(現在は改善されていますがめっちゃ龍が如くの歩き方です)、厚かましいことを言って恐縮なのですが私より年上かな?と思うほどの貫禄のある人が迎えに来たからです。

私は既に成人していたのですが、九州の方言で一回一回「のう?(なあ?みたいな意味だと思われる)」と言われるたびにちょっと敬語で接しそうになりました。

なぞのやけど傷とかなんでついたのか聞くのが怖い・・・!

いやいや、そんな色眼鏡でみてどうする。一人の人間として、成人として、青少年に落ち着いて受け止めるように接するべきだよ、ね、自分(足ブル)という時間を過ごしました。

最初は怖かったのですが、慣れない土地で貧血を起こした私のためにコンビニで必要なものを走って買いにいってくれたり、とにかく優しい子なんだなとだんだん緊張はほぐれていきました。

*事件

事件は私が帰りの飛行機まで駅前で一緒にお茶でも・・・という頃に起こりました。

突然でんきゅうが飲んでいたジュースの空き缶を捨てて、とめてあったどなたかの自転車のかごの中へいれたのです。 それはもう 自分の部屋のゴミ箱のように自然に。

私は思わず、「ヒッ」という声がでたのをはっきりと覚えています。

正直、完全に不良の方に見えていたので面と向かうと私の生物としての弱さがもう既にかなり恐れていたことは否めないのですが、それでも何か「言わねばいけない」という使命感を持ちました。

すこし、いやかなり怖いですが私は成人、りっぱな大人です・・・ここは注意をせねばと思いました。大人として青少年を教え導かんっ・・・と思い

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 「かっ缶、だめだよぉ・・」

と蚊の泣くような声で注意しました。そしてそれを握りつぶして粉砕してもおかしくないような強いしっかりした声で

「エッ、何で?!」

と返されます。

その時、でんきゅうはかなり驚いた感じで声を出していました。何でだ?ああん?という感じではなく、「実はね、私はもう そばは食べられない、うどんだけなんだよ。」という意味不明なカミングアウトに答えるような感じの、純粋な響きでした。

 

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当然、私も脳内で純粋に驚きました。頭の中だけで今さっきでんきゅうが言った声よりかなり大きい声で、「なんで?なんでってなんでだよ・・・。」というツッコミをいれましたが、いかんせん暗くて気が小さいのでそれは言葉になりません。

知らない九州の街のど真ん中で、唇だけが震えました。

そんな私のかすかな不満を、感じ取ったのでしょう。

彼は自分なりに思ったことを、大人が子どもに教えるように、優しく伝えてくれました。

「そりゃーイイことではないけどさー・・・オレもされたことあるけど、大したことでもないよ・・・」

つまり彼は言うわけです。

確かにそれが良いか悪いかで言えば良いというわけではないだろう、しかしこの日々流れ行く暮らしの中でその行為をいつまでも気にかけるやつがいるか?この行動自体は大河の一滴のようなもので、どうしてこの行為を気にかけることができようか、いや 出来ない。

それはまるで 「燕雀いずくんぞ鴻鵠の志を知らんや」と浅はかな私が彼の大きな考えに到達していない、と言えないこともない、ような、錯覚に陥りました(心が弱い)

「燕雀いずくんぞ鴻鵠の志を知らんや」

小人物には、大人物の考えや大きな志などがわからないことのたとえ。

出典 燕雀安んぞ鴻鵠の志を知らんや - 故事ことわざ辞典

 

こうなるともう私には術がありません。

そもそも「ポイ捨てしてはいけないのはどうしてか。」

小さい頃どうやってお母さんが私に教えてくれたんだっけとか色々思い出そうとしたけど出来なくて、慣れない土地にきての緊張も手伝って、頭がうまく働きませんでした。しかし、この空き缶を人の自転車にいれることを見過ごしてはいけないという結論だけははっきりしていました。

 

なので、

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 「私さ・・・缶 好きだから 持っとくね・・・・」

と搾り出しました。

 振り返ると、頭おかしいことですがこのときの私には、でんきゅうを説得することもできない今、こうするしか道がない、これが一番の選択肢なんだ・・・と思っていました。

アイアム極限状態!というわけです。

そう、私達が今常識だと思っていることすらも・・・子ども達からしたら新しい価値観を踏み潰すような、考えの押し付けなのかもしれない・・・と 錯乱した私はそんなことを考えていました。あと、お母さんに三輪車を押してもらったことを何故か思い出していました。お母さん、漕げたよ!(逃避)

私は空港行きの電車に乗る時、捨てようと思ってしっかり缶を握っていたのですが

そんな様子を見てでんきゅうが

 

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  「オッ、オレも(缶好き)やわ。まどちゃんオレにも貸してェ~!」

 

と震える声で何度か言ってきました。

最初のうちはまた缶を投げないか不安だったので曖昧に笑って握っていたのですが、何度か言ってくるので渡しました。

すると「ちょっと待っててね!」と走っていきました。そして近くの郵便局で職員さんにことわってからその建物の前にあるゴミ箱に捨てていました。

戻ってきてから、でんきゅうは何も言わなかったですし、私もそのことには触れずに帰る時間まで雑談をしていました。

お互いにそのことには一年くらい触れず、でんきゅうが東京に来てからこのときのお話をしてみると「あの時はなぜしてはいけないのかわからなかったけど、俺がしていることで困っていると思った。」と言っていました。

*あとがき

あの時のことをふと思い出して、世の中のおとうさんおかあさんは、なんて偉大なんだろうと思います。みなさんならどんなふうに教えますか・・・?

結局私が何か困ってる、それは缶をカゴにいれたせい、ということをでんきゅうが理解して気を遣ってくれただけなので、「どうして」には私答えられていないんです。

それではいけないなあと思うんですよ。

疑問をもつことは素晴らしいです、新しいことを知ることも素晴らしいです、それに応えたい。でも、いまだになかなかうまくいきません。

いつか、もっと堂々と彼の疑問に答えられるようにならなくてはとここまで書いて思いました。人にものを伝えるってむずかしい・・・!これもコミュニケーションから逃げたせいで発達がおくれているのでしょうか、がんばりますがんばります!!

 

読んでくださってありがとうございます、それではまたお便りいたしますね。

みなさんもわたしも明日もとってもとってもよい一日になりますように!

 

 円野まど